夏季休業のお知らせ

当事務所は以下の期間休業いたします。
ご迷惑をおかけしますが宜しくお願いいたします。

8月11日(木)~8月15日(月)

8月16日からの通常営業となります。

有責配偶者からの離婚請求は認められるのか

【質問】
有責配偶者からの離婚請求があった場合,この離婚請求は認められるのでしょうか。

【解説】
やや複雑ですので,順を追ってみていきましょう

1 有責配偶者からの離婚請求があった場合,
そもそも,婚姻関係が破綻していなければ離婚請求は認められません。
そのため,婚姻関係が破綻していないと判断された場合,そもそも離婚請求が認められません。
有責配偶者の話は出てこないことになります。

2 一方,婚姻関係が破綻してしまっている場合には,有責配偶者の話が出てきます。
仮に婚姻関係が破綻していたとしても,有責配偶者からの離婚請求は認められない!という主張です。

原告が有責配偶者であることは,被告側で立証する必要があります。
被告側で原告が有責配偶者であることを立証できなければ,離婚請求が認められることになります。
一方,被告側で原告が有責配偶者であることを立証できれば,離婚請求は認められないという結果になるのが原則です。

3 もっとも,有責配偶者であったとしても,夫婦間の別居期間が相当の長期間に及び,かつ,経済的に独立していないお子さん(未成熟子)がいない場合には,有責配偶者からの離婚は認められることになるのが原則です。

4 しかし,さらにどんでん返しがあり,
被告側にて,離婚が認められてしまうことによって,被告が経済的に苛酷な状態におかれてしまう等の特段の事情がある場合には,離婚請求は認められないことになります。
一方,このような特段の事情がない場合には,有責配偶者からの離婚請求であっても,離婚が認められることになります。

5 ややこしいですが,
結論的には,有責配偶者からの離婚請求は認められないのが原則だが,例外的に離婚請求が認められることがある,
と理解していただければ大丈夫です。

有責配偶者から離婚訴訟が提起された場合の対応

【質問】
いわゆる有責配偶者からの離婚請求を受けた場合の対応,配偶者が有責配偶者の場合,どのように対応することになるのでしょうか。
小さいお子さんがいる家庭で,財産を多く持っている夫側が不貞をしたにもかかわらず,夫が離婚請求した場合について考えます。

【解説】
一般論として,有責配偶者からの離婚請求は認められないのが原則です。
つまり,夫が離婚訴訟を提起したとしても,裁判所は離婚を認めないのが原則となります。
そうしますと,離婚訴訟を提起された側(被告側)としては,離婚したくないのであれば,シンプルに離婚請求を拒否することになります。
この場合,離婚を拒否することになるので,財産分与どうのという話にはなりません,

しかしながら,実際の訴訟で夫が有責配偶者であると認定されるかは最後(判決)までわかりません。
仮に裁判所が夫側を有責配偶者であると認定せず,さらに裁判所が婚姻関係が破綻していると判断した場合には,裁判所は離婚を認めることになります。
この時,財産分与などの審理はなされていませんので,財産分与などについて裁判所は判決で言及しません。
つまり,シンプルに離婚を認める,という判断が出るのみとなります(親権についても判断がなされます)。

仮に裁判所が離婚を認めてしまった場合であっても,財産分与等を受けられるようにするるためには,訴訟中に,予備的に財産分与の申し立てをしておく必要があります。

不貞をした夫からの離婚請求は絶対に認めたくない,
予備的にであっても財産分与の申立てをするのは弱腰じゃないか,
と思う方もいらっしゃるかとは思います。

最終的にはご本人の判断となりますが,紛争を後に残さないようにするためにも,有責配偶者からの離婚請求があった場合には,予備的に財産分与等の申立てをすることをお勧めします。

特別受益がある場合の相続額の計算を教えてください

【質問】
父が死亡しました。
相続人は,母,私(父の子),妹の3人です。
父死亡時の遺産は3000万円でした。
父は,生前,妹に対して,妹が住むための家の購入費用の援助として500万円の援助をしていました。私はそのような援助はしてもらっていません。
この場合の,母,私,妹が相続することになる額はいくらになるのでしょうか。

【結論】

具体的な取り分は
  お母様が1750万円
  あなたが875万円
  妹さんが375万円
  (合計3000万円)
  ということになります。

【理由】
 お父様から妹さんへの住宅購入費の援助は,特別受益となります。
 特別受益がある場合の,各人の取り分の計算順序は以下のとおりとなります。
 1 まず特別受益がある場合は,その額を遺産に加算してみなし相続財産を算出します。
 2 次に加算後の財産(みなし相続財産)を法定相続分で各人に割り付けます
3 特別受益を受けている方は,その割り付けられた額から特別受益の額を差し引くことになります。

 本件に当てはめてみますと
1 まず,遺産3000万円に特別受益額500万円を加算することになりますので,みなし相続財産は3500万円ということになります。
 2 次にこの3500万円を法定相続分で割り付けます。
   お母様の法定相続分は2分の1ですので,1750万円になります。
   あなたの法定相続分は4分の1ですので,875万円になります。
   妹さんの法定相続分は4分の1ですので,875万円になります。
3 妹さんは特別受益を受けていますので,875万円から500万円を差し引くことになります。そのため,妹さんの取り分は375万円になります。
4 結論として,具体的な取り分は
  お母様が1750万円
  あなたが875万円
  妹さんが375万円
  (合計3000万円)
  ということになります。

代襲原因が発生する前の代襲者への贈与は特別受益となるか

【質問】
 祖父が死亡しました。
 祖父の相続人は本来は,祖父の息子(私から見ると私の父)と,祖父の娘(私からみればおば)の2人なのですが,祖父が死亡する前に,祖父の子である私の父は既に亡くなっていましたので,実際の相続人は,私とおばの2人になります。
 私は,私の父が存命中のときに,祖父から多額の金銭的援助を受けました。
 おばは,この金銭的援助が特別受益にあたるので私の相続の取り分は少なくなると主張しています。
 そうなのでしょうか

【結論】
 特別受益には該当せず,取り分が少なくなるということにはならない可能性が高いです

【理由】
 本件では,
1 まず,あなたのお父様が亡くなり
2 その後お父様のお父様(お祖父様)がお亡くなりになっています。
 このような場合,お祖父様の相続では,あなたが相続人となります(あなたは,代襲相続人と呼ばれます)。
 お父様が健在時にお祖父様からあなたになされた生前贈与(代襲原因が発生する前の代襲者:ご質問者の方への生前贈与)は,特別受益にあたらないという見解が通説となっています。そのため,金銭的援助が特別受益にあたる可能性は低く,取り分が少なくなるということにはならない可能性が高いです。
 一方,ご質問のケースとは異なりますが,あなたのお父様がお亡くなりになった後(あなたが相続人になった後)にお祖父様からご質問者の方へ多額の金銭的援助がなされていた場合は,特別受益に該当することになる可能性が高いので,あなたの取り分が少なくなることになる可能性が高いです。

結婚前の浮気を理由に離婚できますか

【質問】
私は,数年間の交際期間を経て,最近結婚しました。
配偶者は,私と交際していた期間に,他の方と肉体関係にあったことがわかりました。
不貞行為を理由に離婚できるでしょうか。

【結論】
結論的には,不貞行為を理由に離婚することはできません。

【解説】
民法770条1項1号には,配偶者に不貞行為があったときに離婚の訴訟提起ができると定めています。
そうすると,ご質問を前提としますと,配偶者の方に不貞行為があったとして訴訟提起をした場合,離婚が認められそうにも思えます。

しかし,不貞行為が離婚事由となるのは,婚姻期間中かつ婚姻関係が破綻する前に不貞行為が行われた場合に限られるという解釈がなされています。
そのため,不貞行為が婚姻前に行われた場合には,民法770条1項1号にいう不貞行為には該当しないことになり,したがって,不貞行為は離婚事由にはなりません。

よって,婚姻前に第三者の方と肉体関係にあったとしてもこれを理由に離婚することはできません。

年末年始のお休みについて

当事務所の本年の営業日は12月27日までとなります。

12月28日から1月4日まではお休みとなります。

新年は1月5日からの営業となります。

よろしくお願いいたします。

確定拠出年金は年金分割の対象とならない!?

離婚をする際の「年金分割」という言葉は一般的に広く知られている言葉だと思います。

年金分割のための調停手続きもあります。

「年金」といっても色々な年金があります。

・厚生年金
・確定給付企業年金
・確定拠出年金
などがあります。

このうち,いわゆる離婚時年金分割制度で分割対象となるのは
・厚生年金
です。

裏を返すと,確定給付企業年金や確定拠出年金は離婚時年金分割制度での分割対象とはなりません。

では,離婚にあたり,確定給付企業年金や確定拠出年金はどのように扱われるのでしょうか。

結論は,財産分与で扱われることになります(財産分与の対象となります)。

確定給付企業年金や確定拠出年金がある場合には,離婚時年金分割をしただけでは足りません。
しっかりと,預貯金や不動産などとあわせて財産分与に計上する必要があります。
この点に注意してください。

配偶者の方に確定給付企業年金や確定拠出年金があるか,事前にチェックしておくといいでしょう。

他の相続人に財産内容を知られずに遺言執行をできるか

【ケース】
生前,母親が公正証書遺言を作成しており,その内容は,財産は全部私に相続させる,遺言執行者は私,となっています。
父は母より前に他界しています。
私には両親をともにする妹がいます。

【疑問点】
妹に相続財産の内容を知られたくないのですが,そのようなことは可能でしょうか。

【結論】
遺言執行者は相続財産目録を作成して相続人に交付する義務がありますので,妹さんに財産内容を知られないようにすることはできません。

【解説】
遺言執行者は,相続財産の目録を作成して,これを相続人に交付しなければならない,と規定されています。
遺言執行者がそもそも財産目録を作成しなかったり,作成した財産目録の記載に遺漏があったりした場合には,損害賠償責任を負うことになりえます。
そのため,本件において,私(遺言執行者)は,相続財産目録を作成して,妹さんに交付する必要があります。

それでは,相続財産目録には何を記載すればよいのでしょうか。
法律には具体的にこれを記載しなさい,ということは書かれていません。
一般的には,財産の名称や預貯金残高を特定できる程度の記載をします。
財産の評価額を調査して記載することまでは要求されていません。
たとえば,不動産については所在や家屋番号などを記載すれば足り,評価額まで調べる必要はありません。株式の評価額や自動車の評価額も同様といえます。
一方,現金や預貯金については残高を記載する必要があるでしょう。

以上のとおり,遺言執行者である私は相続財産目録を作成して,妹さんに交付する必要があります。
妹さんに交付しなかった場合には損害賠償責任が発生する可能性があります。

年末年始休業のお知らせ

当事務所は、令和元年12月28日(土)から令和2年1月6日(月)まで休業致します。

来年1月7日(火)より通常通り業務を行います。

ご迷惑をお掛けいたしますが、よろしくお願いいたします。

冬季休業期間
12月28日(土)〜1月6日(月)