ブログ
有責配偶者から離婚訴訟が提起された場合の対応
【質問】
いわゆる有責配偶者からの離婚請求を受けた場合の対応,配偶者が有責配偶者の場合,どのように対応することになるのでしょうか。
小さいお子さんがいる家庭で,財産を多く持っている夫側が不貞をしたにもかかわらず,夫が離婚請求した場合について考えます。
【解説】
一般論として,有責配偶者からの離婚請求は認められないのが原則です。
つまり,夫が離婚訴訟を提起したとしても,裁判所は離婚を認めないのが原則となります。
そうしますと,離婚訴訟を提起された側(被告側)としては,離婚したくないのであれば,シンプルに離婚請求を拒否することになります。
この場合,離婚を拒否することになるので,財産分与どうのという話にはなりません,
しかしながら,実際の訴訟で夫が有責配偶者であると認定されるかは最後(判決)までわかりません。
仮に裁判所が夫側を有責配偶者であると認定せず,さらに裁判所が婚姻関係が破綻していると判断した場合には,裁判所は離婚を認めることになります。
この時,財産分与などの審理はなされていませんので,財産分与などについて裁判所は判決で言及しません。
つまり,シンプルに離婚を認める,という判断が出るのみとなります(親権についても判断がなされます)。
仮に裁判所が離婚を認めてしまった場合であっても,財産分与等を受けられるようにするるためには,訴訟中に,予備的に財産分与の申し立てをしておく必要があります。
不貞をした夫からの離婚請求は絶対に認めたくない,
予備的にであっても財産分与の申立てをするのは弱腰じゃないか,
と思う方もいらっしゃるかとは思います。
最終的にはご本人の判断となりますが,紛争を後に残さないようにするためにも,有責配偶者からの離婚請求があった場合には,予備的に財産分与等の申立てをすることをお勧めします。