代襲原因が発生する前の代襲者への贈与は特別受益となるか

【質問】
 祖父が死亡しました。
 祖父の相続人は本来は,祖父の息子(私から見ると私の父)と,祖父の娘(私からみればおば)の2人なのですが,祖父が死亡する前に,祖父の子である私の父は既に亡くなっていましたので,実際の相続人は,私とおばの2人になります。
 私は,私の父が存命中のときに,祖父から多額の金銭的援助を受けました。
 おばは,この金銭的援助が特別受益にあたるので私の相続の取り分は少なくなると主張しています。
 そうなのでしょうか

【結論】
 特別受益には該当せず,取り分が少なくなるということにはならない可能性が高いです

【理由】
 本件では,
1 まず,あなたのお父様が亡くなり
2 その後お父様のお父様(お祖父様)がお亡くなりになっています。
 このような場合,お祖父様の相続では,あなたが相続人となります(あなたは,代襲相続人と呼ばれます)。
 お父様が健在時にお祖父様からあなたになされた生前贈与(代襲原因が発生する前の代襲者:ご質問者の方への生前贈与)は,特別受益にあたらないという見解が通説となっています。そのため,金銭的援助が特別受益にあたる可能性は低く,取り分が少なくなるということにはならない可能性が高いです。
 一方,ご質問のケースとは異なりますが,あなたのお父様がお亡くなりになった後(あなたが相続人になった後)にお祖父様からご質問者の方へ多額の金銭的援助がなされていた場合は,特別受益に該当することになる可能性が高いので,あなたの取り分が少なくなることになる可能性が高いです。

結婚前の浮気を理由に離婚できますか

【質問】
私は,数年間の交際期間を経て,最近結婚しました。
配偶者は,私と交際していた期間に,他の方と肉体関係にあったことがわかりました。
不貞行為を理由に離婚できるでしょうか。

【結論】
結論的には,不貞行為を理由に離婚することはできません。

【解説】
民法770条1項1号には,配偶者に不貞行為があったときに離婚の訴訟提起ができると定めています。
そうすると,ご質問を前提としますと,配偶者の方に不貞行為があったとして訴訟提起をした場合,離婚が認められそうにも思えます。

しかし,不貞行為が離婚事由となるのは,婚姻期間中かつ婚姻関係が破綻する前に不貞行為が行われた場合に限られるという解釈がなされています。
そのため,不貞行為が婚姻前に行われた場合には,民法770条1項1号にいう不貞行為には該当しないことになり,したがって,不貞行為は離婚事由にはなりません。

よって,婚姻前に第三者の方と肉体関係にあったとしてもこれを理由に離婚することはできません。