確定拠出年金は年金分割の対象とならない!?

離婚をする際の「年金分割」という言葉は一般的に広く知られている言葉だと思います。

年金分割のための調停手続きもあります。

「年金」といっても色々な年金があります。

・厚生年金
・確定給付企業年金
・確定拠出年金
などがあります。

このうち,いわゆる離婚時年金分割制度で分割対象となるのは
・厚生年金
です。

裏を返すと,確定給付企業年金や確定拠出年金は離婚時年金分割制度での分割対象とはなりません。

では,離婚にあたり,確定給付企業年金や確定拠出年金はどのように扱われるのでしょうか。

結論は,財産分与で扱われることになります(財産分与の対象となります)。

確定給付企業年金や確定拠出年金がある場合には,離婚時年金分割をしただけでは足りません。
しっかりと,預貯金や不動産などとあわせて財産分与に計上する必要があります。
この点に注意してください。

配偶者の方に確定給付企業年金や確定拠出年金があるか,事前にチェックしておくといいでしょう。

他の相続人に財産内容を知られずに遺言執行をできるか

【ケース】
生前,母親が公正証書遺言を作成しており,その内容は,財産は全部私に相続させる,遺言執行者は私,となっています。
父は母より前に他界しています。
私には両親をともにする妹がいます。

【疑問点】
妹に相続財産の内容を知られたくないのですが,そのようなことは可能でしょうか。

【結論】
遺言執行者は相続財産目録を作成して相続人に交付する義務がありますので,妹さんに財産内容を知られないようにすることはできません。

【解説】
遺言執行者は,相続財産の目録を作成して,これを相続人に交付しなければならない,と規定されています。
遺言執行者がそもそも財産目録を作成しなかったり,作成した財産目録の記載に遺漏があったりした場合には,損害賠償責任を負うことになりえます。
そのため,本件において,私(遺言執行者)は,相続財産目録を作成して,妹さんに交付する必要があります。

それでは,相続財産目録には何を記載すればよいのでしょうか。
法律には具体的にこれを記載しなさい,ということは書かれていません。
一般的には,財産の名称や預貯金残高を特定できる程度の記載をします。
財産の評価額を調査して記載することまでは要求されていません。
たとえば,不動産については所在や家屋番号などを記載すれば足り,評価額まで調べる必要はありません。株式の評価額や自動車の評価額も同様といえます。
一方,現金や預貯金については残高を記載する必要があるでしょう。

以上のとおり,遺言執行者である私は相続財産目録を作成して,妹さんに交付する必要があります。
妹さんに交付しなかった場合には損害賠償責任が発生する可能性があります。